植物をメインに扱っています!

豪雪がもたらす山岳生態系~中部山岳国立公園~

初めまして、ヤマタロウです。私のブログでは日本にある(世界に飛び出すかも⁈)自然公園の生物多様性(植物が中心)について扱っていこうと思います。

そんな記念すべき第一回目の舞台は中部山岳国立公園です!

私がここを第一回目に選んだ理由としては、趣味の登山⛰とスキー⛷で頻繁に訪れていて最も親しみのある自然公園だったからです。なお、中部山岳国立公園には山や高原、河川、湖沼など多くの地形がありそれぞれに特有の生態系が存在しますが、今回は特に山の生態系に絞って書いていきます!

中部山岳国立公園はどんな山から構成されている?

 中部山岳国立は長野県、岐阜県新潟県富山県の四県にまたがる北アルプスの山々から構成されていて、14座の日本百名山が含まれている。具体的に見ていくと、夏には多くのテントで覆いつくされる涸沢カールやふもとには河童橋で有名な上高地がある穂高岳白馬大雪渓のある白馬岳(しろうまだけ)、明治時代まで長らく未踏峰として考えられていた(実際は信仰対象として古く修験者たちが登っていたことが陸軍参謀本部陸地測量部によって発見された錫杖頭と鉄剣からわかっている)ほど登るのが困難とされている剱岳日本百名山を記した深田久弥が日本の山を代表する二つのタイプの一つ(もう一つは富士山)に選んだ槍ヶ岳、国内初の現存する氷河が発見された立山など…登山を嗜むものなら一度は登ってみたいと思う立派な山ばかりだ。

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環境省_中部山岳国立公園_見どころガイド

余談だが白馬岳の白馬大雪渓にはない氷河が立山の御前沢雪渓にはある理由をのべていく。冬季の豪雪と強烈な季節風に加えて御前沢雪渓の位置する場所が中緯度帯であり、高緯度帯で起きる白夜や低緯度帯での日中の高温などの問題も起きないということから御前沢雪渓の雪は万年雪になることができる。そして、御前沢雪渓に堆積した万年雪の上にまた違う雪が堆積していき下の方の万年雪が圧縮されて氷になり、これが重力に従って下に向かって動いていくことで氷河と呼べるものになっている。白馬大雪渓は御前沢雪渓と比べて二倍以上の全長があるのでその広い谷を雪解け水が通過するときに多くの氷が溶かされてしまうことが氷河にならない理由として考えらる。

中部山岳国立公園に自生する植物たち

中部山岳国立公園は標高差が大きく、当然のことだが標高にバリエーションがあれば植生にもバリエーションが生まれる。高山帯ではハイマツ群やお花畑が広がり、亜高山帯ではシラビソ、オオシラビソからなる亜高山帯針葉樹林やダケカンバ林、そして約標高1,500m以下ではブナやミズナラからなる夏緑広葉樹林などが分布している。このようにバリエーションに富んだ植生が中部山岳国立公園ではみられるが最も特徴的なのはお花畑だろう。そこでここからはお花畑を形成する高山植物について書いていく。

高山植物とは 

 高山植物とは森林限界(富山県を除く中部以北ではハイマツが森林限界の指標となる)よりも高いところに生える植物のことを指していて、北欧やロシアの人にとっては高山植物は周極分布植物として認識されている。日本の高山植物は森との闘いであり、日本の山は豪雪で風が強いため高山植物の敵である森が形成されないため多くの高山植物を観察することができる。

高山植物の高山への適応として3つの適応がみられる。1つ目は生育期間の短さへの適応だ。(亜)高山帯は平地に比べて低温で、雪に覆われている時期が長いため植物が生育できる期間が限られている。そのため高山植物は生長期間を短くして早く開花結実を行ううようがあり、ファイトマー数を少なくして矮小化したり少ない資源量で作り積み上げることで小型化するなどして適応している。2つ目は低温への適応である。低温は減数分裂に障害を起こしたり植物にとって重大な問題である。そこで植物は器官外凍結と細胞外凍結の二つの方法で低温へ適応している。器官外凍結とは鱗片に水を排出することで水を排出した組織の溶質濃度が上がって凝固点降下を生じさせることで組織の凍結を避ける方法である。細胞外凍結とは原形質分離を起こして細胞壁と細胞膜の間を凍らせることで細胞質の凍結を防ぐ方法である。3つ目は降雪と強風への適応である。真っ直ぐは上からの雪の衝撃や横からの風の衝撃に弱いため、(亜)高山帯ではテーブル状樹形や旗状樹形など衝撃をうまく逃がせる樹形や、仮軸分岐した樹形がみられる。

ここで書いたことはほとんど大学の授業で聞いた話です笑

具体的な高山植物の紹介

中部山岳国立公園内に自生する多くの高山植物は国立公園内特別地域内指定植物に指定されている。雪が融けきった7月8月は花を咲かせた沢山の高山植物が山に彩を加える。大量の積雪と強烈な西風の影響でハイマツの発達が悪いため白馬岳は特にお花畑が発達していて、山域に自生する高山植物群の希少性から特別天然記念物として白馬連高山植物帯に指定されている。シロウマアカバシロウマアサツキのような白馬岳の固有


種の高山植物がみられる。また、日本各地に隔離分布しているウルップソウツクモグサのような日本の固有種が自生しているという特徴もある。高山植物の代表で高山植物の女王とも呼ばれるコマクサも見ることができる。

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シロウマアカバ

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シロウマアサツキ

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ウルップソウ

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コマクサ

 

☟画像をお借りしたサイトです。参考にしてみてください!☟
flowerland.moo.jp
中部山岳国立公園に生息する動物たち

高山や亜高山で一生を過ごす蝶と一般的には認識されている高山蝶(高緯度地帯では平地で見られるので高山植物と同様に高山蝶というくくりにするのは日本のような中緯度帯の国だけかもしれない)やニホンザルや日本リスなどの哺乳類、言わずと知れた北アルプスの象徴であるライチョウなどの鳥類が見られる。

高山蝶とライチョウについて少し補足していく。日本で現在確認されている高山蝶は13種でありそのうちの9種が中部山岳国立公園内で生息している。その多くが絶滅危惧種や準絶滅危惧種として指定されている。具体的には山岳写真家として有名な田淵行雄が山の娘と呼んだミヤマモンキチョウハイマツ仙人と呼んだタカネヒカゲ、憂愁夫人と呼んだベニヒカゲ、草原の巡邏兵と呼んだタカネキマダラセセリなどであり、田淵行雄が名付けた異名は蝶の見た目や生態系を反映したものですんなりと受け入れられるものとなっていると思う。次はライチョウについて。ライチョウは高山帯に隔離分布しており近年数を減らしている。その原因として本来ライチョウが生息する地域に生息していなかったニホンザルなどの哺乳類によってライチョウにとってえさ場や産卵場となる植生が荒らされてライチョウの住環境が悪化していること、我々登山客の干渉などがあげられる。ライチョウを絶滅の危機から守るために大学や環境省で対策が行われている。

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(右)ライチョウ♂(左)ライチョウ

目の周りが黒い方が♂で白い方が♀です。

 

ライチョウの画像をお借りしたサイトです☟ 

これはアクティブレンジャーといって日本各地の国立公園でレンジャー(環境保護官)の補佐的な役目をだいたい一年の任期で担っている人たちの活動日記のサイトです。

chubu.env.go.jp

 

最後に

ここまで見てきて分かるように、中部山岳国立公園高山植物をはじめ多くの生き物が豊かな生態系を築いていて都市化が急激に進み自然と触れ合う機会が少なくなってきてしまっている現代の地球にとってオアシスの一つとなる場所です。そのため、スキーや登山をしにこの公園を訪れる際はいかに貴重な生態系があるのかを十分に理解したうえで楽しんでほしいと思います!