東山の植生 Part1(2021年4月19日,26日)
調査地
銀閣寺から大文字山に入り、如意ヶ岳を踏んで、比叡平を通って比叡山に登り、修学院に下りた。
植生
ネズミモチ
モクセイ科イボタノキ属
葉は対生し、全縁
側脈がほとんど見えない
樹皮は灰白色で皮目がある
ツバキと似ているが、ツバキの葉には鋸歯があり樹皮は灰白色で平滑である
サカキとも似ているが、サカキの葉は互生する
ウツギ
アジサイ科ウツギ属
葉は対生し、かすかな波状の鋸歯があり、鋸歯の間から針状の突起がでる
葉表、葉柄などに星状毛があり、葉はざらつく
特徴的な実をつける
茎が中空であることから空木(ウツギ)と名がついた
コアカソ
イラクサ科ヤブマオ属
葉は対生し、ひし形で三角形の鋸歯が目立つ
葉柄が赤くなる
リョウブ
リョウブ科リョウブ属
葉は互生し、枝先で集まってつく
鋸歯は細かい単鋸歯では全体にある
主脈が赤みを帯びることが多い
樹皮はうろこ状に剝がれ、褐色や淡い橙色、灰白色などの斑になる
ヒサカキ
サカキ科ヒサカキ属
葉全体に細かい鋸歯があり、枝先に人の爪のような冬芽をつける
アラカシ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、葉先半分に粗い鋸歯がある
若葉は赤みを帯びることもあれば、普通に緑色の時もある
ネジキ
ツツジ科ネジキ属
葉は互生し、全縁で縁が不規則に波打つ
花は白くスズランに似る
タカノツメ
ウコギ科タカノツメ属
葉は互生し、気づかないくらい小さな鋸歯を持つ
身近で観察できるもので三出複葉で高木になるものは、タカノツメの他にミツデカエデやメグスリノキくらい
コバノミツバツツジ
西日本のツツジの代表種
葉裏は網脈の網目が目立ち、全縁に見えるが葉先に微鋸歯がある
株立ち樹形(幹が3本以上)になる
ウリハダカエデ
ムクロジ科カエデ属
葉は対生で、五角形状の広い葉
若木の樹皮がウリに似ている(1,2枚目)
成木では灰白色になり縦に浅く裂ける(3,4枚目)
葉がよく似るホソエカエデと違う点として、葉裏の脈腋に褐色の毛があることがある
葉は薄黄色で総状にぶら下がる
ソヨゴ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生で、中央の主脈がよく目立ち、葉縁が波打つ
樹皮は灰白色平滑で、皮目が縦につながる
コバノガマズミ
ガマズミ科ガマズミ属
葉は対生で、鋸歯があり、葉面に毛が多く光沢はない
両面に毛が多く、ふわっとした触覚
ツブラジイ
ブナ科シイ属
葉は互生し、樹皮は平滑で裂けない
スダジイと似るが、スダジイは樹皮が裂け、枝が少し太く、実が円形ではなく楕円形で、葉裏が光沢のある褐色になるという違いがある
イヌツゲ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、小さな楕円形で低い鋸歯がある
葉先が丸い葉が多い
ナワシログミ
グミ科グミ属
葉は互生し、鋸歯があるように見えるが全縁
葉縁が強く波打ち、葉裏は白っぽく光沢がない
ウラジロガシに似ているが、鋸歯の有無で見分けられる
ウラジロガシ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、鋸歯はシラカシより鋭く、葉縁や葉面がよく波打つ
葉裏は粉白色
コナラ
ブナ科コナラ属
先寄りで幅が最大になる長いひし形状で鋸歯が粗い
ミズナラと比べて葉柄が長い
樹皮は縦に裂ける
ヤマザクラ
バラ科サクラ属
葉は互生し、葉先は尾状に長く伸びる
樹皮は横筋が目立つ
クロモジ
クスノキ科クロモジ属
葉は互生し、楕円形で枝先に集まってつく
枝は緑色で黒い汚れのような模様が入る
枝と葉は折るとさわやかな芳香がある
モチツツジ
葉は互生し、両面に毛があり触るとふさふさして粘る
アカガシ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、全縁で葉柄が3㎝程あり長い
枝先に集まってつく
ヤマブキ
バラ科ヤマブキ属
葉は互生し、葉先が長く伸び、鋭い重鋸歯をもつ
ムクノキと葉が似るが、ムクノキの鋸歯は単鋸歯で角ばった山型である
花が八重咲する品種はヤエヤマブキ
ユズリハ
葉は互生し、大きな葉がやや垂れてつく
葉柄は普通赤く色づく
ヒメユズリハと比べて、葉裏の葉脈の網目が大きく、葉柄も太い
コツクバネウツギ
スイカズラ科ツクバネウツギ属
葉は対生し、鋸歯は低いか全縁
シロダモ
クスノキ科シロダモ属
葉は互生し、大型で枝先に集まってつく
葉柄が長く、金色の毛が多少ある
基部の側脈が長く伸びて目立つ
ウスノキ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、変異するものが多い
テンナンショウ属
カルミア
葉は互生し、アセビによく似た樹形で枝先に葉が垂れ気味に集まってつく
ヒメヤシャブシ
カバノキ科ハンノキ属
側脈は17~28対と多い
クマシデに似るが、クマシデに比べて厚感がある
果穂が大量につき、穂状で垂れる雄花が特徴的
ミツバアケビ
ツル性木本で小葉は三枚で波状の鋸歯がある
実は食用になる
バイカツツジ
葉は互生で、楕円形
葉柄が長く、長い腺毛が多い
コシアブラ
葉は互生し、大型の掌状複葉
小葉柄があり、樹皮が白色の平滑である点でトチノキと区別できる
トウカエデ
ムクロジ科カエデ属
葉は対生し、きれいに3裂する
徒長枝(幹や太い枝から上方に向かって伸びる枝)の葉は大きく、切れ込みが深く、鋸歯が出やすい
樹皮は粗く縦に裂けて剥がれる
ニシキギ
葉は対生し、ひし形状
枝は4稜(断面が四角になる)があり、時にコルク質の翼がでる
自生種の翼は小さい
感想
縦走の感想としては、最初如意ヶ岳に行くまではめちゃくちゃ楽しかったが、ショートカットとして比叡平と山中町を通る道(一般的な登山道ではなく、道なき道)がめちゃくちゃしんどかった。
比叡山は山頂に着いたときは最高だったが、総じて早く帰りたかった笑
わからない植物が多すぎてもやもやしながら歩いていた。