東山の植生 Part3(2021年5月12日,13日)
調査地
植生
ハナミズキ
葉は対生し、葉脈はやや凹んでしわ状になる
弧を描く側脈が目立つ
ヤマボウシと違って樹皮が網目状に裂け、葉裏は白みが強い
センダン
センダン科センダン属
二回羽状複葉
小葉が3つにきれこむことがあり、この形になる葉は他にない
樹皮は暗緑色で縦に裂ける
アベマキ(コルククヌギ)
ブナ科コナラ属
葉は互生し細長く、鋸歯は先が糸状になって緑色が抜けている
クヌギと違って真ん中の写真のような丸みを帯びる葉形を持つ葉があり、葉裏は灰白色
樹皮はコルク層が発達し、指で押さえると弾力がある
コナラ
ブナ科コナラ属
葉は先寄りで幅が最大になる長い菱形状
鋸歯が粗く、1㎝ほどの葉柄がある
樹皮は縦に裂け、裂けた部分が黒く見える
シロダモ
クスノキ科シロダモ属
葉は互生し、枝先に集まってつく
クスノキ属の葉と同様で三行脈が目立つ
葉裏が目立って白く、ちぎるとクスノキ科特有の香りがする
葉がよく似るヤブニッケイとの違いは、ヤブニッケイは対生ややずれた互生であり、枝先に集まらないことや葉裏が淡緑色であることがある
ユズリハ
葉は互生し、枝先にやや垂れさがって集まる
葉柄は普通赤く色づき、葉裏は粉白色で葉脈の網目が大きい
葉の入れ替わりの様子からこの名前がつき、その様子が家が代々引き継がれていく様子に喩えられ、縁起物となっているため、昔ながらの生活をしている里山のような地域でよく見られる
ナギ
マキ科ナギ属
針葉樹
ネズミモチに似て葉は対生するが、主脈がなく多数の葉脈が平行に走っている
樹皮は不規則に剥がれ、黒褐色や赤褐色が交じる
エノキ
アサ科エノキ属
葉は三行脈が目立ち、葉先半分に鋸歯がある
樹皮は裂けない
ムクノキ
アサ科ムクノキ属
全体はケヤキによく似るが、鋸歯が角ばることや基部の側脈がさらに分岐することなどの特徴がある
樹皮は白っぽく縦筋が入る
葉は両面に短毛がありよくざらつき、ヤスリに利用される
ケヤキ
ニレ科ケヤキ属
多数の側脈が平行に並ぶ
鋸歯はカーブして先が尖る、三角形
表面はややざらつく
樹皮は鱗状にはがれる
トウネズミモチ
モクセイ科イボタノキ属
葉は全縁で対生するので見分けやすい
ネズミモチより葉身が大きく、側脈がよく見え、質感がうすい
フジイ
ムラサキシキブ
シソ科ムラサキシキブ属
葉は対生し、鋸歯を持つ
葉先と基部がやや急に狭まり、菱形状になる
葉裏に微細な黄色い腺点が散らばる
カナメモチ
バラ科カナメモチ属
葉は互生し、小さいが鋭くてかたい鋸歯がある
若葉は赤みを帯びることがある
オオカナメモチとの違ってカナメモチの葉柄には鋸歯があることが多い
オオカナメモチとカナメモチの雑種がレッドロビン
タラヨウ(ハガキノキ)
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉は長い楕円形で大きく、のこぎりの様に鋭い鋸歯がある
葉裏を傷つけると茶色くなる
ツブラジイ(コジイ、シイ)
ブナ科シイ属
葉は互生する
スダジイと違って樹皮は裂けず、実は丸くて小さく、葉は小型で薄く、枝は細い
葉裏は光沢のある褐色(スダジイと同じ)
モチノキ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、全縁
葉は整った楕円形で、葉脈はほとんど見えない
葉先は少し突き出て鈍い
サカキやクロキと違って冬芽は目立たない
樹皮は灰白色で平滑
枝は緑色で鈍い稜がある
クロガネモチ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、全縁
葉はモチノキより一回り大きい
葉柄や若枝が紫色を帯びることが特徴
若木や幼木では鋸歯がある
カクレミノ
ウコギ科カクレミノ属
葉は互生し、全縁
きれいに三中裂する葉が特徴であるが、葉形の変異が多い
樹皮は白っぽく平滑
基部から長く伸びる3脈が目立つ
サカキ
サカキ科サカキ属
葉は互生し、全縁
枝先に人の爪のような冬芽がある
アラカシ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉先半分に鋸歯がある
実の殻斗に横縞模様がある
クロバイ
ハイノキ科ハイノキ属
葉はヒサカキやクロキと似るが葉柄が赤みを帯びることが多いことややや古い枝は紫褐色で白みを帯びることが特徴
枝先に水滴形の赤い冬芽がある
アオキ
アオキ科アオキ属
葉は対生し、鋸歯縁
光沢のある大きな楕円形の葉で、枝も太く緑色なので見分けやすい
カキノキ
カキノキ科カキノキ属
葉は互生し、全縁
葉は広い卵形で光沢が強い
葉裏に短毛があり、光沢のある褐色になる
タカノツメ(イモノキ)
ウコギ科タカノツメ属
葉は三手複葉で鋸歯がある
葉先はよくとがり、鋸歯は目立たず先では毛になる
イヌビワ
クワ科イチジク属
葉は互生し、全縁
樹皮は灰褐色で平滑
主脈が赤みを帯びることがある
基部で分岐する三脈がやや目立つ
葉形と葉の付き方がリョウブと似るが、リョウブの葉は鋸歯縁を持ち、樹皮はうろこ状に剥がれ、褐色や橙色、灰白色の斑が目立つ
コナラ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、鋸歯縁
ミズナラと比べて鋸歯が長い
樹皮は縦に裂け、裂けた部分が黒く、平滑面が白く見える
ヒサカキ
サカキ科ヒサカキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉先がわずかに凹み、葉裏は側脈の網目が目立つ
枝先にはサカキ同様の冬芽がある
シロバイ
ハイノキ科ハイノキ属
葉は互生し、鋸歯がある
縁がしばしば波打ち、葉柄がとても短い
枝や主脈上に毛がある
リンボク(ヒイラギガシ)
バラ科バクチノキ属
幼木の葉は針状の鋸歯がある
成木になると全縁の葉が増え、鋸歯があっても葉先に少しあるのみである
葉裏の葉脈の網目が目立つ
葉の縁は波打つことが多く、葉先は長く突き出る
エゴノキ
葉は互生し、鋸歯は目立たないほど低いことが多い
葉の基部が直線的に狭まるので、葉形がひし形になる
葉の両面、葉柄、枝に星状毛がある
ウワミズザクラ
バラ科ウワミズザクラ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉のしわがよく目立ち、葉柄が短く、蜜腺がないか目立たないという特徴がある
サクラとついているが、所謂サクラのような花ではなく白色の総状花序の花を5月頃に咲かせる
ソヨゴ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、全縁
中央の主脈が明るいこと、縁がよく波打つことが特徴
カラスザンショウ
ミカン科サンショウ属
大きな羽状複葉で葉をもむと山椒臭がある
葉軸や枝、幹にとげがある
ナナカマド
バラ科ナナカマド属
羽状複葉で、鋸歯縁
赤く長い冬芽やサクラに似た樹皮が特徴的
鋸歯は小さいが、よくとがって重鋸歯になる
小葉基部の葉軸上に褐色の毛がある
アカシデ
カバノキ科クマシデ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉先が尾状に伸び、葉柄が長く、無毛
樹皮は縦筋と縦のうねがある
コシアブラ
葉は掌状複葉で鋸歯縁
明瞭な小葉柄がある
ナナミノキ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、低い鋸歯を持つ
葉先は長く伸びる
アラカシやシラカシと似るが葉裏の色がそれぞれ灰褐色を帯びた淡緑色、白みを帯びた淡緑色であるのでナナミノキとは異なる
また、カシ類の樹皮は黒っぽいがナナミノキは灰白色で平滑
リョウブ
リョウブ科リョウブ属
葉は枝先に集まってつき、鋸歯を持つ
樹皮はうろこ状に剥がれ、褐色や淡い橙色、灰白色の斑になる
クサギ
シソ科クサギ属
葉は対生しする
葉は丸みのある三角形状で特有の臭いにおいがある
葉柄は長く、葉柄や葉の裏に軟毛がある
ウラジロノキ
バラ科アズキナシ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉が円形に近く、顕著な山形の重鋸歯があり、葉裏に毛が密生して白い
ヒメコウゾ
クワ科カジノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
基部が左右非対称で、葉身と葉柄の間に数対の突起がある
基部から三行脈
葉表に短毛が散生し、ざらつく
コウゾの半分くらいの大きさ
シャシャンボ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉柄(日なたではしばしば赤みを帯びる)が短いことと、葉裏の主脈上に小さな突起が並ぶ特徴がある
葉先はよくとがる
樹皮はやや赤みを帯びて縦に細かく裂けて剥がれる
スノキ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉は楕円形で葉柄がほとんどなく、嚙むと酸っぱい
側脈まで透けて見える
実は黒く、稜はない
ウスノキ
ツツジ科スノキ属
スノキに似るが葉を噛んでも酸っぱくなく、主脈の他に細脈まで透けて見える
実は赤く、5角形に角ばり、先が凹んで臼型になる
アクシバ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉は卵形で先がとがり、葉裏は白っぽい
枝が扁平で葉に沿って花がつく
実は赤色で球形
コバノミツバツツジ
葉は互生し、微細な鋸歯縁をもつ
西日本のツツジの代表種で、葉はややこふぁたで丸みがある
葉裏に網脈の網目が目立つ
ヤブツバキ
ツバキ科ツバキ属
葉は互生し、鋸歯縁
樹皮は白っぽくて平滑
ネジキ
ツツジ科ネジキ属
葉は互生し、全縁
縁がやや波打っている
葉の付け根が膨らんでいる
樹皮はねじれて縦に裂ける
アオハダ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
短枝の先に束生し、長枝ではごせいする
葉はやや丸みがあり、葉裏は葉脈が浮き出て目立ち、光沢がある
ヤマモモ
ヤマモモ科ヤマモモ属
葉は枝先に集まってつき、成木の葉はふつう全縁
樹皮は白っぽく縦ジワがある
モチツツジ
葉は互生し、全縁(コバノミツバツツジは目立たないが鋸歯あり)
ヤマツツジに似るが、各部に腺毛があるのが特徴
ヤマウルシ
ウルシ科ウルシ属
羽状複葉
小葉の基部が円形になることが特徴
葉軸は赤く、毛が密生する
葉の両面に毛がある
ハゼノキ
ウルシ科ウルシ属
羽状複葉で、全縁
葉柄は無毛でしばしば赤色づく
小葉の葉先は長く伸び、葉裏は粉白色を帯び、葉脈の網目が目立つ
幼木では時に鋸歯が出る
樹皮は淡褐色で縦に浅く裂ける
ヌルデ
ウルシ科ヌルデ属
大きな羽状複葉で鋸歯縁
日本で見られるウルシ科のうち、成木の葉に必ず鋸歯があるのはヌルデのみ
翼があり、葉柄はしばしば赤みを帯びる
感想
実習はたくさん樹種を覚えられるからいい。やはり、知識をつけるには知識のある人から教えてもらうことが一番。