武奈ヶ岳の植生(2021年6月2日)
調査地
坊村の登山口から武奈ヶ岳と一部竜ヶ岳
植生
カジカエデ
ムクロジ科カエデ属
葉は対生し、鋸歯縁
カナダの国旗のモチーフになっているサトウカエデに似るが、サトウカエデは鋸歯や裂片がより鋭く、樹皮が縦に裂ける(カジカエデの樹種は灰褐色平滑)
葉表は脈上をはじめ全体に毛がある
アブラチャン
クスノキ科クロモジ属
葉は互生し、全縁
葉形はひし形で、葉をちぎるとつんとした匂いがする
葉裏は白みを帯びていて、無毛
クロモジに花や冬芽が似るが、葉が枝先に集まらないという違いがある
葉柄が長く、赤みを帯びる
アオハダ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉脈が凹んで目立つことが特徴
樹皮が薄く、爪で剥ぐと緑色の内皮が見えることが名前の由来
ウラジロノキは鋸歯が三角形状であるので見分けやすい
タニウツギ
葉は対生し、鋸歯縁
葉裏に白毛が密生し、白っぽく見える
花がはじめからピンク色
葉脈が凹んでしわになる
サワフタギ
ハイノキ科ハイノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉形が最大幅先寄りの倒卵形
小ぶりだが、明瞭な鋸歯がある
白い花が特徴的
樹皮は縦にやや細かく裂ける
ヤマボウシ
ミズキ科ミズキ属
葉は対生、全縁
葉形はほぼ円形で子を描く側脈が目立つ
樹皮はうろこ状に剝がれる
花は四枚の総苞片の先が尖ったもの
カマツカ
葉先は短く突き出る
短枝がやや発達し、数枚の葉が束生する
長枝では互生する
花は白色で初夏に咲く
ホソエカエデ
ムクロジ科カエデ属
葉は対生し、鋸歯縁
ウリハダカエデに似るが、中央の裂片が長くせり出し、葉表にはやや光沢があり、葉柄が赤みを帯びて長いなどの特徴がある
ベニドウダン
ツツジ科ドウダン属
葉は互生し、鋸歯縁
ドウダンツツジに似るが、鋸歯が顕著で葉柄が短いという違いがある
リョウブ
リョウブ科リョウブ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉柄や主脈がしばしば赤みを帯びる
鹿の角状に仮軸分枝する枝ぶりが特徴的
樹皮は半模様があり、うろこ状に剝がれる
アセビ
葉は互生し、小さな鋸歯を持つ
枝先に集まってつく
樹皮はネジキに似ており、若葉が赤みを帯びることがある
葉先がよくとがり、葉柄は赤みを帯びるものと帯びないものがある
アメリカナナカマド
ユズリハ
葉は互生し、全縁
枝先に集まり、垂れながらつく
葉柄は普通赤く色づく
シキミも枝先に集まって垂れてつく全縁の葉を持つが、葉柄は葉と同じ色でモチノキなどににてのっぺりしている
シキミ
マツブサ科シキミ属
葉は互生し、全縁
枝先に集まってつき、質感はのっぺりしている
ちぎると甘い芳香がある
樹皮は暗褐色で縦筋が入る
イワウチワ
イワウメ科イワウチワ属
山地のやや暗い林内に生育する
白から薄いピンクの花を咲かせる
クマシデ
カバノキ科クマシデ属
他のクマシデ属と比べて明らかに側脈の本数が多い
果穂が特徴的であるが、サワシバに似る
サワシバは基部が顕著なハート形になることが多い
イヌシデは葉の表面や葉柄に毛が多い
イヌシデと比べて、葉柄と葉先が短いのが特徴
同じカバノキ科のシデとヤシャブシの違いは、果穂である
シデの花穂は写真のような形なのに対してヤシャブシの果穂は茶色く、小さい松ぼっくりのようなもの
サルナシ(コクワ)
葉は互生し、鋸歯縁
葉柄は赤みを帯びる
枝の断面は膜で仕切られた空洞があり、梯子状になっている
葉は地面と水平につき、平面上につく
写真のような果実をつける
感想
疲れた。稜線歩きは最高。
比叡山の植生(2021年5月27日)
見られた植生
ウツギ
タンナサワフタギ
ウリハダカエデ
コナラ
クロモジ
イロハモミジ
サルナシ
ヤマウグイスカグラ
シロダモ
イボタノキ
コアカソ
コゴメウツギ
ニワトコ
サンショウ
キブシ
コハウチワカエデ
オトコヨウゾメ
ユキグニミツバツツジ
ウスノキ
ナツハゼ
コツクバネウツギ
ツクバネウツギ
コバノガマズミ
クマシデ
ウラジロノキ
オオバヤシャブシ
オオカメノキ
ナツハゼ
モミ
アカシデ
ホツツジ
オオモミジ
カラスザンショウ
ツルマサキ
キブシ
カヤ
ガマズミ
ヤブムラサキ
イヌブナ
ツリガネツツジ
イヌシデ
コバノミツバツツジ
ウラジロガシ
ナワシログミ
ネジキ
ミヤマガマズミ
アワブキ
アカガシ
コウヤボウキ
ナワシログミ
ツクバネツツジ
ナガバコウヤボウキ
コマユミ
ウリカエデ
ダンコウバイ
クマノミズキ
アオハダ
フジ
コバンノキ
アブラチャン
東山の植生 Part3(2021年5月12日,13日)
調査地
植生
ハナミズキ
葉は対生し、葉脈はやや凹んでしわ状になる
弧を描く側脈が目立つ
ヤマボウシと違って樹皮が網目状に裂け、葉裏は白みが強い
センダン
センダン科センダン属
二回羽状複葉
小葉が3つにきれこむことがあり、この形になる葉は他にない
樹皮は暗緑色で縦に裂ける
アベマキ(コルククヌギ)
ブナ科コナラ属
葉は互生し細長く、鋸歯は先が糸状になって緑色が抜けている
クヌギと違って真ん中の写真のような丸みを帯びる葉形を持つ葉があり、葉裏は灰白色
樹皮はコルク層が発達し、指で押さえると弾力がある
コナラ
ブナ科コナラ属
葉は先寄りで幅が最大になる長い菱形状
鋸歯が粗く、1㎝ほどの葉柄がある
樹皮は縦に裂け、裂けた部分が黒く見える
シロダモ
クスノキ科シロダモ属
葉は互生し、枝先に集まってつく
クスノキ属の葉と同様で三行脈が目立つ
葉裏が目立って白く、ちぎるとクスノキ科特有の香りがする
葉がよく似るヤブニッケイとの違いは、ヤブニッケイは対生ややずれた互生であり、枝先に集まらないことや葉裏が淡緑色であることがある
ユズリハ
葉は互生し、枝先にやや垂れさがって集まる
葉柄は普通赤く色づき、葉裏は粉白色で葉脈の網目が大きい
葉の入れ替わりの様子からこの名前がつき、その様子が家が代々引き継がれていく様子に喩えられ、縁起物となっているため、昔ながらの生活をしている里山のような地域でよく見られる
ナギ
マキ科ナギ属
針葉樹
ネズミモチに似て葉は対生するが、主脈がなく多数の葉脈が平行に走っている
樹皮は不規則に剥がれ、黒褐色や赤褐色が交じる
エノキ
アサ科エノキ属
葉は三行脈が目立ち、葉先半分に鋸歯がある
樹皮は裂けない
ムクノキ
アサ科ムクノキ属
全体はケヤキによく似るが、鋸歯が角ばることや基部の側脈がさらに分岐することなどの特徴がある
樹皮は白っぽく縦筋が入る
葉は両面に短毛がありよくざらつき、ヤスリに利用される
ケヤキ
ニレ科ケヤキ属
多数の側脈が平行に並ぶ
鋸歯はカーブして先が尖る、三角形
表面はややざらつく
樹皮は鱗状にはがれる
トウネズミモチ
モクセイ科イボタノキ属
葉は全縁で対生するので見分けやすい
ネズミモチより葉身が大きく、側脈がよく見え、質感がうすい
フジイ
ムラサキシキブ
シソ科ムラサキシキブ属
葉は対生し、鋸歯を持つ
葉先と基部がやや急に狭まり、菱形状になる
葉裏に微細な黄色い腺点が散らばる
カナメモチ
バラ科カナメモチ属
葉は互生し、小さいが鋭くてかたい鋸歯がある
若葉は赤みを帯びることがある
オオカナメモチとの違ってカナメモチの葉柄には鋸歯があることが多い
オオカナメモチとカナメモチの雑種がレッドロビン
タラヨウ(ハガキノキ)
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉は長い楕円形で大きく、のこぎりの様に鋭い鋸歯がある
葉裏を傷つけると茶色くなる
ツブラジイ(コジイ、シイ)
ブナ科シイ属
葉は互生する
スダジイと違って樹皮は裂けず、実は丸くて小さく、葉は小型で薄く、枝は細い
葉裏は光沢のある褐色(スダジイと同じ)
モチノキ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、全縁
葉は整った楕円形で、葉脈はほとんど見えない
葉先は少し突き出て鈍い
サカキやクロキと違って冬芽は目立たない
樹皮は灰白色で平滑
枝は緑色で鈍い稜がある
クロガネモチ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、全縁
葉はモチノキより一回り大きい
葉柄や若枝が紫色を帯びることが特徴
若木や幼木では鋸歯がある
カクレミノ
ウコギ科カクレミノ属
葉は互生し、全縁
きれいに三中裂する葉が特徴であるが、葉形の変異が多い
樹皮は白っぽく平滑
基部から長く伸びる3脈が目立つ
サカキ
サカキ科サカキ属
葉は互生し、全縁
枝先に人の爪のような冬芽がある
アラカシ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉先半分に鋸歯がある
実の殻斗に横縞模様がある
クロバイ
ハイノキ科ハイノキ属
葉はヒサカキやクロキと似るが葉柄が赤みを帯びることが多いことややや古い枝は紫褐色で白みを帯びることが特徴
枝先に水滴形の赤い冬芽がある
アオキ
アオキ科アオキ属
葉は対生し、鋸歯縁
光沢のある大きな楕円形の葉で、枝も太く緑色なので見分けやすい
カキノキ
カキノキ科カキノキ属
葉は互生し、全縁
葉は広い卵形で光沢が強い
葉裏に短毛があり、光沢のある褐色になる
タカノツメ(イモノキ)
ウコギ科タカノツメ属
葉は三手複葉で鋸歯がある
葉先はよくとがり、鋸歯は目立たず先では毛になる
イヌビワ
クワ科イチジク属
葉は互生し、全縁
樹皮は灰褐色で平滑
主脈が赤みを帯びることがある
基部で分岐する三脈がやや目立つ
葉形と葉の付き方がリョウブと似るが、リョウブの葉は鋸歯縁を持ち、樹皮はうろこ状に剥がれ、褐色や橙色、灰白色の斑が目立つ
コナラ
ブナ科コナラ属
葉は互生し、鋸歯縁
ミズナラと比べて鋸歯が長い
樹皮は縦に裂け、裂けた部分が黒く、平滑面が白く見える
ヒサカキ
サカキ科ヒサカキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉先がわずかに凹み、葉裏は側脈の網目が目立つ
枝先にはサカキ同様の冬芽がある
シロバイ
ハイノキ科ハイノキ属
葉は互生し、鋸歯がある
縁がしばしば波打ち、葉柄がとても短い
枝や主脈上に毛がある
リンボク(ヒイラギガシ)
バラ科バクチノキ属
幼木の葉は針状の鋸歯がある
成木になると全縁の葉が増え、鋸歯があっても葉先に少しあるのみである
葉裏の葉脈の網目が目立つ
葉の縁は波打つことが多く、葉先は長く突き出る
エゴノキ
葉は互生し、鋸歯は目立たないほど低いことが多い
葉の基部が直線的に狭まるので、葉形がひし形になる
葉の両面、葉柄、枝に星状毛がある
ウワミズザクラ
バラ科ウワミズザクラ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉のしわがよく目立ち、葉柄が短く、蜜腺がないか目立たないという特徴がある
サクラとついているが、所謂サクラのような花ではなく白色の総状花序の花を5月頃に咲かせる
ソヨゴ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、全縁
中央の主脈が明るいこと、縁がよく波打つことが特徴
カラスザンショウ
ミカン科サンショウ属
大きな羽状複葉で葉をもむと山椒臭がある
葉軸や枝、幹にとげがある
ナナカマド
バラ科ナナカマド属
羽状複葉で、鋸歯縁
赤く長い冬芽やサクラに似た樹皮が特徴的
鋸歯は小さいが、よくとがって重鋸歯になる
小葉基部の葉軸上に褐色の毛がある
アカシデ
カバノキ科クマシデ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉先が尾状に伸び、葉柄が長く、無毛
樹皮は縦筋と縦のうねがある
コシアブラ
葉は掌状複葉で鋸歯縁
明瞭な小葉柄がある
ナナミノキ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、低い鋸歯を持つ
葉先は長く伸びる
アラカシやシラカシと似るが葉裏の色がそれぞれ灰褐色を帯びた淡緑色、白みを帯びた淡緑色であるのでナナミノキとは異なる
また、カシ類の樹皮は黒っぽいがナナミノキは灰白色で平滑
リョウブ
リョウブ科リョウブ属
葉は枝先に集まってつき、鋸歯を持つ
樹皮はうろこ状に剥がれ、褐色や淡い橙色、灰白色の斑になる
クサギ
シソ科クサギ属
葉は対生しする
葉は丸みのある三角形状で特有の臭いにおいがある
葉柄は長く、葉柄や葉の裏に軟毛がある
ウラジロノキ
バラ科アズキナシ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉が円形に近く、顕著な山形の重鋸歯があり、葉裏に毛が密生して白い
ヒメコウゾ
クワ科カジノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
基部が左右非対称で、葉身と葉柄の間に数対の突起がある
基部から三行脈
葉表に短毛が散生し、ざらつく
コウゾの半分くらいの大きさ
シャシャンボ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉柄(日なたではしばしば赤みを帯びる)が短いことと、葉裏の主脈上に小さな突起が並ぶ特徴がある
葉先はよくとがる
樹皮はやや赤みを帯びて縦に細かく裂けて剥がれる
スノキ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉は楕円形で葉柄がほとんどなく、嚙むと酸っぱい
側脈まで透けて見える
実は黒く、稜はない
ウスノキ
ツツジ科スノキ属
スノキに似るが葉を噛んでも酸っぱくなく、主脈の他に細脈まで透けて見える
実は赤く、5角形に角ばり、先が凹んで臼型になる
アクシバ
ツツジ科スノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
葉は卵形で先がとがり、葉裏は白っぽい
枝が扁平で葉に沿って花がつく
実は赤色で球形
コバノミツバツツジ
葉は互生し、微細な鋸歯縁をもつ
西日本のツツジの代表種で、葉はややこふぁたで丸みがある
葉裏に網脈の網目が目立つ
ヤブツバキ
ツバキ科ツバキ属
葉は互生し、鋸歯縁
樹皮は白っぽくて平滑
ネジキ
ツツジ科ネジキ属
葉は互生し、全縁
縁がやや波打っている
葉の付け根が膨らんでいる
樹皮はねじれて縦に裂ける
アオハダ
モチノキ科モチノキ属
葉は互生し、鋸歯縁
短枝の先に束生し、長枝ではごせいする
葉はやや丸みがあり、葉裏は葉脈が浮き出て目立ち、光沢がある
ヤマモモ
ヤマモモ科ヤマモモ属
葉は枝先に集まってつき、成木の葉はふつう全縁
樹皮は白っぽく縦ジワがある
モチツツジ
葉は互生し、全縁(コバノミツバツツジは目立たないが鋸歯あり)
ヤマツツジに似るが、各部に腺毛があるのが特徴
ヤマウルシ
ウルシ科ウルシ属
羽状複葉
小葉の基部が円形になることが特徴
葉軸は赤く、毛が密生する
葉の両面に毛がある
ハゼノキ
ウルシ科ウルシ属
羽状複葉で、全縁
葉柄は無毛でしばしば赤色づく
小葉の葉先は長く伸び、葉裏は粉白色を帯び、葉脈の網目が目立つ
幼木では時に鋸歯が出る
樹皮は淡褐色で縦に浅く裂ける
ヌルデ
ウルシ科ヌルデ属
大きな羽状複葉で鋸歯縁
日本で見られるウルシ科のうち、成木の葉に必ず鋸歯があるのはヌルデのみ
翼があり、葉柄はしばしば赤みを帯びる
感想
実習はたくさん樹種を覚えられるからいい。やはり、知識をつけるには知識のある人から教えてもらうことが一番。
八経ヶ岳の植生 適当回(2021年5月4日)
調査地
八経ヶ岳周辺
植生
ヤシャブシ
カバノキ科ハンノキ属
葉は互生し、平行に並ぶ多数の側脈が特徴
果穂の数は、オオバヤシャブシ:1,ヤシャブシ:1~3,ヒメヤシャブシ:3~6
シャクナゲ
葉は互生し、枝先に集まってつく
冷温帯に自生
葉裏が褐色になっていて、平たい毛が密生する
葉がナワシログミやウラジロガシに似るが、ともに葉先に集まってつかないので見分けは容易。
ナワシログミは鋸歯があるように見えるが全縁で、葉縁が強く波打つのに対して、ウラジロガシは鋭い鋸歯があり、葉全体が波打つ
ミヤマシキミ
ミカン科ミヤマシキミ属
葉はシキミやサカキに似ており、葉の先端に集まってつく
葉をちぎると柑橘系の芳香がある
光にかざすと全体に小さな油点がある
実は11月頃につくが、春先まで残ることもある
シキミはマツブサ科シキミ属であり、小高木で八角形の実が11月頃につく
ブナ
ブナ科ブナ属
葉は互生し、冷温帯に分布する
平行な側脈があり、波形の鋸歯がある
平滑で灰褐色の幹には白や黒緑の地衣類がよくつく
オオカメノキ
レンプクソウ科ガマズミ属
表面のしわが幾何学模様となって目立つ
同じレンプクソウ科ガマズミ属のオオデマリやガマズミ科ガマズミ属のガマズミとよく似ている
基部は心臓型で、オオデマリとガマズミは円形
鋸歯は不揃いの細かい鋸歯があるのに対して、オオデマリは山型の鋸歯、ガマズミは波状の鈍い鋸歯
実は赤く、黒く熟すのに対して、オオデマリは結実しない
ヤマグルマ
ヤマグルマ科ヤマグルマ属
葉は互生し、すべすべした質感
斜上する直線的な側脈が特徴的
感想
オオヤシャブシ・ヤシャブシ・ヒメヤシャブシ、オオカメノキ・オオデマリ・ガマズミのような葉の特徴が似ている植物を正確に分類したい
東山の植生 Part2(2021年5月3日)
調査地
植生
ハリエンジュ(ニセアカシア)
マメ科ハリエンジュ属
羽状複葉で小葉の先が凹む
基部の枝に一対の刺がある
樹皮は縦にやや深く裂ける
イヌエンジュ
マメ科イヌエンジュ属
羽状複葉で、向かい合う葉は時にずれてつく
丸みを帯びており、小葉の先はやや鈍い
樹皮はひし形の皮目がある
葉裏に伏毛が多い
コアカソ
イラクサ科ヤブマオ属
鋸歯は三角形状で大きく、そこまで多くない
葉先がよく伸び、葉柄は赤みを帯びて長い
ガマズミ
ガマズミ科ガマズミ属
葉は対生し、波状の鈍い鋸歯がある
葉や枝にざらつく短毛が多い
葉裏の基部付近の多数の蜜腺がある
コバノガマズミ
ガマズミ科ガマズミ属
ガマズミに似るが、ガマズミはほぼ円形であるのに対してコバノガマズミは小形で先端が尖る
シキミ
マツブサ科シキミ属
葉は互生し、のっぺりとした感じ
枝先に集まってつき、葉の両面で側脈があまり見えない
最大の特徴は葉をちぎると甘い芳香がある
アカガシも全縁で枝先に集まり、葉柄が長い点でシキミと似ているがアカガシは葉の裏が緑色で葉脈がしっかり見えている点でシキミと見分けがつく。樹皮も鱗状に剥がれて橙色を帯びる点で灰白色で縦筋があるシキミと異なる。
クロモジ
クスノキ科クロモジ属
楕円形の葉が互生し、枝先に集まってつく
枝葉をちぎると芳香がある
枝は緑色で古い枝ほど黒い汚れのような模様が入る
タカノツメ
ウコギ科タカノツメ属
葉は三出複葉で基部は左右非対称
ちぎるとウコギ科特有の芳香がある
リョウブ
リョウブ科リョウブ属
葉は互生し葉柄や主脈がしばしば赤みを帯びる
鹿の角上に仮軸分枝する枝ぶりや、鱗増に剥がれ、褐色や橙色、灰白色などの斑ができる樹皮で見分けられる
一列目の右がムクロジに似ているがムクロジは羽状複葉で樹皮は灰褐色で粗くはがれる
また、ムクロジは全縁
ネジキ
ツツジ科ネジキ属
葉は互生し、不規則に波打つ
両面に伏毛が散在する
日向の冬芽や枝は赤く鮮やか
樹皮はねじれて縦に裂ける(右の写真ほど避けるとは思わなかった)
感想
ハリエンジュとイヌエンジュが一面コンクリートで囲まれて貧栄養であろうところに街路樹として植えられているのはともにマメ科で根粒菌と共生することで貧栄養の環境にも適応できるからであろう。知らんけど。
京都大学北部構内の植生 Part1 (2021年4月30日)
調査地
植生
スズカケノキ
葉は互生し、切れ込みが葉の半分以上ある
明瞭に5裂するが、時に7裂するときもある
写真にある若葉では見られないが、ふつうは粗い鋸歯がある
基部から出る3主脈がはっきり見える
樹皮は鱗状に剥がれ落ち、斑模様になる
アメリカスズカケノキ
スズカケノキと比べて切れ込みがかなり浅い
樹皮は粗く剥がれ、褐色が中心
ユリノキ
モクレン科ユキノキ属
葉は偶数に裂け、葉先が凹む
樹皮は縦に溝状に裂ける
トウカエデ
ムクロジ科カエデ属
葉はきれいに3裂し、成木はほぼ全縁
著しく樹皮が特徴的
シャリンバイ
バラ科シャリンバイ属
葉は楕円形で鈍い鋸歯がある
また、葉は枝先に車輪状に集まってつき、葉裏の葉脈の網目が目立つ
モッコクと似るが、モッコクは全縁で葉裏に葉脈がほとんど見えない
また、モッコクの葉柄は赤みを帯びる
オオカナメモチ
葉はカナメモチより明らかに大きく、葉柄が長い
カナメモチより鋸歯は粗く、葉幅が広く、葉柄に鋸歯があることはない
切れ込みは変異?
ウツギ
アジサイ科ウツギ属
葉は対生し、羽状複葉のように見える
葉の表に星状毛が密生し、ざらつく
鋸歯はこぶりで、鋸歯のあいだだに針状の突起
株立ち樹形で、樹皮は写真のようになる
トウネズミモチ
モクセイ科イボタノキ属
葉は対生し、ネズミモチに比べて一回り大きい
大型の葉で対生するものは珍しく、他にはロウバイなどがある
側脈が良き目立つのもネズミモチとの相違
写真右からも分かるように、若い枝は皮目がある
カツラ
カツラ科カツラ属
ハート形~円形の葉が対生する
樹皮は縦に裂けてやや剥がれる
モクセイ
モクセイ科モクセイ属
葉は楕円形で対生する
樹皮はひし形の皮目がある
変異が多く、花が橙黄色で芳香が強いものがキンモクセイ
トチノキ
葉は大型の掌状複葉
鋸歯は単鋸歯で目立たず、やや波状
コシアブラと似るが、葉柄がない点で異なる
マテバシイ
ブナ科マテバシイ属
葉は先寄りで幅広くなり、枝先に集まってつく
葉裏は金色を帯び、葉をちぎっても匂いがない
樹皮は灰白色で縦筋がある
クチナシ
アカネ科クチナシ属
葉は対生し、時に三輪生する
葉は大型で側脈間にふくらみがよく目立つ
向かい合う葉の托葉がつながっている
エノキ
アサ科エノキ属
葉は先半分に鋸歯がある
基部から長く伸びる三行脈が目立つ
樹皮は裂けない
感想
意外といろいろな樹種がみられて面白かった。